「印鑑の書体にはどんな種類があるの?」「どれを選べばいいの?」とお悩みの方向けに、印鑑書体の選び方を解説しています。
法人または団体、事業主用の書体解説は「会社印鑑・法人印鑑の書体」をご確認ください。
印鑑基本書体の種類
篆書体(てんしょたい)
伝統的な印鑑書体で、かっちりと整った印象を与えます。「小篆」や「印篆」などの書体をまとめて「篆書体」といいます。「小篆」は紀元前に中国を統一した秦の始皇帝によって制定されました。「印篆」は小篆をもとにして作られています。
日本円札の表側には印篆で“総裁之印”、裏には小篆で“發券局長”という印鑑が押されています。
古代文字のため、字によっては判読が難しい字もあり、現代の印鑑作成においては、印篆をベースに現代なりの解釈が含まれた字体となっています。
吉相体(きっそうたい)
篆書体をベースに、文字が枠に接するように配置し、流線的に八方・末広がりに作る書体です。
別名で「八方篆書」や「印相体」といった呼び名もあります。
緻密でありながら力強く、デザイン性があり、作り手の意匠が込められやすい書体です。
少し崩した雰囲気が好きな方におすすめです。
流篆体(りゅうてんたい)
篆書体をベースにしなやかで繊細な線をイメージした書体です。
細く端正な流線と、空間を使った字体が特徴。伝統的な書体にモダンさが加わり、凛としたデザインとなっています。篆書体より柔らかく、吉相体より整った雰囲気が好きな方におすすめです。
古印体(こいんたい)
字面に墨が溜まったような表現や、欠け・途切れが特徴的な味わいのある書体です。
一般的な認印は古印体で作られることが多く、親しみやすい書体です。
非常に読みやすい字体であるため、認印の書体として最も普及しました。
隷書体(れいしょたい)
横に長いバランスで、波打つような筆運びが特徴の書体です。
現代文字のように見えて、実は篆書体と同じく二千年以上の歴史を持つ古代文字です。
こちらも身近にある書体で、日本円札の千円や壱万円と書かれている文字が「隷書体」です。
古代文字ではありますが、判読が容易で、読みやすい書体です。
印鑑書体のサンプル一覧
フルネーム
篆書体 | 吉相体 | 流篆体 | 古印体 | 隷書体 | |
---|---|---|---|---|---|
野口英世 | |||||
エドワード ジェンナー | |||||
Edward Jenner | |||||
森一郎 | |||||
佐々木真奈美 | |||||
高橋真太郎 | |||||
上田さくら | |||||
張仲景 |
デザイン書体の種類
印グラフィーシリーズ
Sirusiのオリジナルデザイン書体。
10種以上のデザインパターンがあり、どれも特徴的なデザインの印鑑です。
伝統的な印鑑書体である「篆書体」をベースに、「タイポグラフィー」というモダンな文字装飾の技法を合わせた書体です。書体の種別では図形文字に該当します。
そのため、ごく一部の自治体や地域密着型の金融機関によっては登録が要相談となる場合もあります。
野口 | 山口 | 佐々木 | 森 | さくら | |
---|---|---|---|---|---|
ディスク 印グラフィー | |||||
ライン 印グラフィー | |||||
バルーン 印グラフィー | |||||
バッジ 印グラフィー | |||||
タワー 印グラフィー | |||||
レンズ 印グラフィー | |||||
ロール 印グラフィー | |||||
メイズ 印グラフィー | |||||
ライト 印グラフィー | |||||
ワイド 印グラフィー |
印モルフィーシリーズ
端末上で印鑑を丸型から楕円型や角形へと自由に変化させることができるSirusiオリジナルのデザイン印鑑です。印鑑の基本書体である吉相体をベースにしているため、実印や銀行印、認印として幅広くご利用いただけます。
デザイン印鑑「エッグ」
Sirusiオリジナルのかわいいたまご型印鑑。印鑑の基本書体である吉相体と古印体をベースにしています。実印・銀行印・認印のすべての用途でご利用いただけます。
佐藤美咲 | 鈴木優 | 原みゆき | 高橋 | さくら | |
---|---|---|---|---|---|
吉相体 | |||||
古印体 |
印鑑書体の選び方
本来、印鑑作成におけるルールは少なく、あったとしても、以下の条件ぐらいです。
- 実印登録は役所に登録している名前でつくること
- サイズが25mm以下であること
- 印鑑の照合ができること(変形しない素材で作ること)
書体に関するルールは存在しません。
TPOによって例外もありますが、印鑑は持ちたいと思えるか、自分の好みに合っているかが大事だと考えます。自身の感性で判断して作った方が、きっと気分も上がります。
以下は書体を選ぶときの判断材料になるよう、各印鑑書体が与えるイメージや、印鑑書体の可読性・歴史をまとめました。参考程度にご利用ください。
各印鑑書体が与える印象
※画像内の彫刻名は「野口」または「野口英世」です
やわらかい・親しみやすい(曲線的)
力強い・インパクトを与える(線が太い)
以上を踏まえて、書体サンプルをご覧いただくとイメージが固まってきます。
印鑑書体の可読性
印鑑書体は実印・銀行印・認印などの用途やTPOによって、可読性が低いもの(読みにくい)・可読性が高いもの(読みやすい)を使い分けるという考えもあります。
印鑑基本書体の可読性
実印や銀行印は、偽造防止のために読みにくいもの、認印は一目でわかりやすいように可読性の高いものを選ばれる傾向があります。
デザイン書体の可読性
普段使いの認印などで、個性を発揮できるおしゃれでユニークな書体です。デザイン書体は、基本的に図形文字のため可読性が低いものが多いです。実印や銀行印など届け出をする場合は、あらかじめ登録が可能かご確認ください。
※画像内の彫刻名は「野口」または「野口英世」です
印鑑書体の歴史
印鑑の基本書体は、篆書体→隷書体 → 古印体 → 吉相体の順にできました。
また、流篆体・印グラフィーシリーズは、Sirusiが篆書体をベースに近年開発したオリジナル書体です。
お客様が選ぶ印鑑書体の統計データ
参考までに2021年1月~2021年6月までにSirusiで印鑑を作成された方の印鑑用途別書体の割合を掲載しますのでご参考ください。ただ、あまり割合に囚われる必要はありません。あくまで参考用ですので、他の人はこんな感じなんだと軽い気持ちで見てもらえると幸いです。
(※印グラフィーの書体は、実印・銀行印・認印といった印鑑の種別で販売していないため、お客様によって用途は様々です。以下の統計には含まれていません。)
実印の書体・彫刻内容
実印は身分証明に使う印鑑のため、偽造されにくく、デザイン性に凝った書体が選ばれる傾向にあります。
統計では、流線的で複雑なデザインの「吉相体」が最も選ばれています。
作成する彫刻内容ではフルネームを選択される方が半数を超えています。
書体別
吉相体 | 39.6% |
篆書体 | 34.3% |
流篆体 | 20.4% |
隷書体 | 3.2% |
古印体 | 2.5% |
彫刻内容別
フルネーム | 59.6% |
名前のみ | 23.4% |
苗字のみ | 17.0% |
銀行印の書体・彫刻内容
銀行印は自分の財産を管理する大切な印鑑です。
実印と同様に、偽造対策としてデザイン性に凝った書体が選ばれる傾向にあります。
統計では伝統的でフォーマルな「篆書体」が最も選ばれ、僅差で「吉相体」が選ばれています。
銀行印は比較的小さめのサイズに彫刻しますので、彫刻内容は苗字か名前のみで作られる割合が高いです。
(余談ですが、一部を除き、ほとんどの金融機関ではマークやイラスト入りの印鑑、グラフィカルな印鑑登録が可能です。)
書体別
篆書体 | 30.3% |
吉相体 | 28.3% |
流篆体 | 28.0% |
古印体 | 7.9% |
隷書体 | 5.5% |
彫刻内容別
苗字のみ | 49.6% |
名前のみ | 39.6% |
フルネーム | 10.8% |
認印の書体・彫刻内容
認印の意味は、「確認した」「承認した」といった意味合いがありますので、誰が認印を押したかを判別しやすくする必要があります。またTPOに合わせて作る必要もあるので、統計では丸みがあって読みやすい「古印体」が最も選ばれる書体となっています。作成する彫刻内容ではほとんどの方が苗字のみで作成されています。
書体別
古印体 | 34.6% |
篆書体 | 28.2% |
隷書体 | 16.8% |
流篆体 | 12.5% |
吉相体 | 7.9% |
彫刻内容別
苗字のみ | 64.4% |
フルネーム | 20.4% |
名前のみ | 15.2% |
訂正印の書体・彫刻内容
訂正印はわずかなスペースに誰が訂正したかを判別しやすく作る必要があります。
そのため、作成は読みやすい「古印体」または「隷書体」で注文されています。また、苗字のみで作られる方がほとんどです。
書体別
古印体 | 54.8% |
隷書体 | 45.2% |
彫刻内容別
苗字のみ | 92.4% |
名前のみ | 7.6% |
印鑑のデザインに悩んだらSirusiにご相談ください
サンプルや統計データをご覧いただいて欲しいイメージは固まってきましたか?
とはいえ、決めきるのは難しいと思うので、書体を一度で絞りきれない場合は、好みやニュアンスをSirusiに相談してもらえると、似合う書体をご提案できます。印鑑の作成に悩まれたら是非ご相談ください。
また、Sirusiには デザイン校正確認 というサービスがあります。
ご注文後のサービスとなりますが、これはハンコの彫刻前に印鑑デザインを確認できます。
初校を含め4案まで無料でデザインを確認できるので、お気に入りの印鑑が作成できます。
印鑑デザインのご相談例
ここでは、実際にいただいたお客様のご相談を紹介します。
Case. 1
名前のみの銀行印を作成したいと考えています。
自身の名前がひらがなで、仕上がりのイメージがしにくく、どの書体にしていいか悩んでいます。
複数ご提案を頂くことは可能でしょうか?
お客様にお伺いすると、ひらがなで可読性の高い書体だとおもちゃのような印象にならないか心配とのことでした。
Sirusiの担当デザイナーからは、吉相体で印鑑の円全体にデザインする案と、印グラフィーシリーズをいくつかご提案しました。
最終的に吉相体で出来るだけ空間のバランスを整えながら、模様のようにも文字のようにも見えるようなデザインで銀行印を作成しました。
Case. 2
実印を作成するにあたり、いろいろなサイトを見ていてたどりつきました。
印グラフィーがとても素敵だなと思い購入を検討しておりますが、実印登録の条件にある「極端な図案化したものは不可」に該当してしまうのではないかが気がかりです。
印グラフィーの商品を注文した際に、役所で登録不可だった場合、印グラフィーから一般的な篆書体等の商品に変更することは可能でしょうか。
お客様がデザイン校正確認サービスを使って、事前に市役所の窓口担当者の方に画像を見てもらい、登録の可否を確認されるとのことでしたので、担当デザイナーから3案ご提案させていただきました。
1案目は通常のバルーン印グラフィーデザイン、2案目は図案化率を落として文字の認識がしやすいように調整したバルーン印グラフィーデザイン、3案目に篆書体デザインです。
市役所に確認されたところ、1案目のバルーン印グラフィーで登録可能だったとのことで、1案目で校了となり、実印を作成しました。
Case. 3
フルネームで「〇〇 〇〇」で15ミリの実印を作成したいです。
可愛らしくスッキリしたデザインが希望です。
いい感じの雰囲気に出来るでしょうか?
担当デザイナーから流篆体をベースに線の高さや空間の幅を揃えてスッキリみせつつ、文字の角に丸みを付けることで可愛らしく見えるようアレンジしたデザイン案をご提案しました。
お客様の好みに近く、少しイメージ違いがあった箇所を微調整して校了となり、実印を作成しました。
印鑑作成では個々の悩みや疑問が出てきますが、ご相談いただけることで解決できることもあります。
ふわっとしたご質問でもかまいません。ご相談を進めることでイメージが固まり欲しいと思える印鑑が見つかりますので、印鑑作成での疑問、お悩みはご相談ください。
印鑑の書体について…ちょっとした余談
ここはちょっとした余談です。
書体選びからデザイン決定までは、購入者であるあなたが、印鑑作りに参加して意思決定できる重要なポイントです。
せっかくの機会ですので、自分の意見や要望を伝えて、欲しいと思う印鑑に仕上げてみませんか?
一生ものにもなる印鑑。こだわって作らないともったいないです!
なかなかイメージが湧かなくても、私たちSirusiがサポートしてお客様の要望に応える印鑑を作成します。
ですので、是非楽しんで印鑑作りにご参加ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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